「ものづくり商談会」、ハノイで初開催
中小企業のビジネスマッチングなどを手掛ける日系ファクトリーネットワークアジア(FNA)グループと製造業向け情報発信などを展開するNCネットワーク(東京都台東区)が主催する、「FBCハノイ2017ものづくり商談会」が23日に開幕した。在ベトナムだけでなくタイなど周辺国の日系企業など、大小の製造メーカーが出展した。同商談会は中国とタイでは開催実績があるが、ベトナムでは初めて。
同時に日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ事務所が、逆見本市形式でサプライヤーを募る「部品・加工産業販路拡大商談会」を開催。ジェトロハノイ事務所の川田敦相所長は、ものづくり商談会の開幕式典で「ベトナム進出企業の現地調達率は日系製造業の課題で、商談会を通じて日越のビジネス拡大に期待する」とあいさつ。川田所長によると、在ベトナム日系企業の原材料・部品の現地調達率は34.2%という。
出展企業のうち、ファクトリーオートメーション(FA)を提供しているベトナムのテマスエンジニアリングは、代理販売している蛇の目ミシン工業の卓上ロボットなどを展示した。蛇の目ミシンの産業機器営業部の舌間聖一郎部長は、「ベトナムの製造現場でも機械化が進んできて、需要が高まってきている」と説明。同社の製品は日本製が中心だが、ロボット操作の表示言語にベトナム語を追加したり、インターネットと接続して管理できるモノのインターネット(IoT)への対応を進めたりしてきたという。
またベトナムにプレス加工部品の製造拠点を持つリズム時計工業(さいたま市)は、バイクや自動車、プリンターなどに使用する部品を紹介した。日系企業に加えてベトナム企業のティア1(1次請け)メーカーなどへの販路拡大も図ることが狙いだという。
周辺国のタイから出展した企業もある。自動車や産業機器向けの精密部品などを扱う日系のラドヴィック(タイランド)は、ベトナムに製造拠点を持つ日系企業への提供もしてきたが、一層の販路拡大を図る考え。現在はタイのティア1やティア2企業に精密部品を販売し、製造された部品がベトナムの日系メーカーへ輸出されるケースも多いという。今後はベトナムでの新規顧客を開拓し、直接輸出もしくは製造拠点の設置の検討を含め、市場動向をみていくという。
■バイヤー側で大手ら出展
バイヤーブースには、トヨタ・ベトナム(TMV)やホンダ・ベトナム(HVN)、パナソニック・ベトナムなど大手のほか、電動バイクを製造・販売するテラモーターズ(東京都渋谷区)らが出展。テラモーターズ・ベトナム法人責任者の後平佐保子氏は、「電動バイクは中国市場が大きいため中国製部品の流通が多いが、ベトナム製の部品調達率を高めていきたい」と話す。ベトナムの電動バイク市場は年30万~40万台規模とされ、北部を中心に伸びている。同社は6機種を販売しているものの、モーターなど核になる部品はベトナムでは調達しておらず、地場企業の成長に期待しているという。
ものづくり商談会は24日まで開催。ジェトロの商談会参加企業なども合わせると計138社が出展している。