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中小製造業受注予測、「増加」が28.2%に withコロナでの取引先開拓に課題感 ~NCネットワークがコロナ受け2回目の景況感アンケート~

2020年10月15日
プレスリリース

製造業の会員企業約1万7,000社と国内最大級の受発注サイト「エミダス」を運営する株式会社NCネットワーク(本社:東京都台東区、代表取締役社長:内原康雄)は、会員の中小企業を対象に、2回目となる景況感を伺うアンケートを実施。2020年9月17~26日にウェブ上で行い、295件の回答を得ました。なお、1回目は2020年6月に行いました。

回答結果によると、工場の稼働率は「かなり混んでいる」「比較的混んでいる」と答えた企業が26.8%と、前回結果よりも5%増加し、全体として好転の動きがみられました。7~9月の受注状況は4~6月とほとんど変化なく、66.1%が「減少」と回答。一方で2~3か月先の受注予測については28.2%が増加を見込んでおり、一部企業に回復の兆しがみられます。不調な業界は前回から引き続き、自動車、工作機械が圧倒的多数を占めましたが、自動車は前回より好調な業界として10%増加していることから、回復傾向にあると考えられます。


Q2 直近の受注及び予測

  

また前回、多くの企業が課題として挙げた「付加価値を認めてくれる取引先の開拓」について、取引先との出会いのきっかけは「過去からの継続取引」が圧倒的に多いなか、「展示会」や「インターネット関係」もそれぞれ約30%に上り、さらに前回比で「助成金活用」や「WEBマーケティング」を課題に挙げた企業が増加したことから、withコロナでの取引先開拓に、WEB営業や、オンラインとリアルを融合したハイブリッド型展示会など、OMO(Online Merges With Offline)の活用が重要視されていることがわかりました。そのなかでいかに取引先と相互理解を深められるかがポイントになると考えられます。

NCネットワークは今後も新型コロナウイルスの影響を受ける中小製造業の課題解決のため、積極的に情報を収集し公開することで、国内外の取引拡大や取引先の多様化に寄与します。なお、次回は景況感に加え、「解決したい課題」で回答の多かった「教育」に焦点を当て、アンケートを実施します。時期は12月頃の予定です。

(1回目のアンケート結果はこちらよりご覧いただけます)

  

【調査概要】

主体:株式会社NCネットワーク

期間:2020年9月17~26日 WEBによる調査

対象者:エミダス会員企業の経営者

回答件数:295件

  

【調査結果】

<総評>

第二回目の景況感アンケートは日本国内に事業所を保有するエミダス会員に協力頂き、295社回答を得た。第一回目(調査時期6月中)と比較し、好不調の業種に差は大きく見られないが、自動車・インフラ業界に関しては若干好転の動きがみられる。受注状況ついても前回同様、企業によって好不調の差が続いているが、2~3か月先の受注予測については一部回復の動きが見られる。

また今回のトピックスは、前回の問い「解決したい課題」で回答が集中した「付加価値を認めてくれる取引先の開拓」について、今回更に深堀した項目を追加。その結果、「企業の付加価値」について、約60%が「技術力」「高品質」、次いで「短納期」(43%)「提案力」(37%)となった。また、自社の付加価値に対し適正価格で仕事を請け負っている会社が約半数に達する事がわかった。詳細については個別の結果を参照。

  

Q1 工場の稼働状況

「かなり混んでいる」「比較的混んでいる」の合計は前回比5%アップ。一方で「かなり余裕がある」は前回比8%ダウンとなり、全体としては好転している。更に回答者別にみると、小規模企業(従業員規模1−5人)が前回に続き「余裕がある」に回答が多く、企業規模による復調スピードの差の可能性が考えられる。


グラフ1:工場の稼働状況

  

Q2 直近の受注及び予測

前回比で見ると減少傾向は若干改善しているといえる。前回マイナスと回答している企業(約70%/220社)の殆どは今回も同様にマイナスと回答。しかしながら今後の「受注予測」については上記の内、約30%(約70社)はプラスに転じると予想し、一部企業は回復の兆しが見えている。一方で更に厳しい状況の会社も35%(約80社)となり好不調が大きく二極化している。


グラフ2:直近の受注及び予測

  

景況感

自動車業界が前回1.9%に対し、今回11.9%と10%復活。またインフラ業界も約15%に好転。医療、半導体業界は引き続き好調である。


グラフ3:好調な業界(上位3位)

  

自動車、工作機械の2業界が前回同様不調な業界TOP3に入った。しかしながら複数回答における「不調な業界」の全体回答件数の減少や、自動車業界においては「好調」に転換している点もあり一部復調の兆しがある。


グラフ4:不調な業界(上位3位)

  

Q3企業の付加価値

各社の保持する「企業の付加価値」は、約60%が「技術力」「高品質」、次いで「短納期」(43%)、「提案力」(37%)となった。更に、これら取引先との出会いのきっかけとして「過去からの継続取引」が圧倒的に多く、一方で展示会やインターネット経由もそれぞれ30%近くに上るが、withコロナの状態が今後も続き短期的には展示会の機会が減ることが予想される中、インターネットやSNSなどのオンラインと展示会などリアルな場所との緊密な連携(OMO=Online Merges with Offline)が重要視されると考えられる。今後は「企業の付加価値」についてもう少し掘り下げ、付加価値向上に向けた具体的な取り組み内容や企業事例などを会員企業と共有していきたい。


グラフ5:適正価格で請け負っている割合

  


グラフ6:付加価値を認めてくれる取引先の割合

  


グラフ7:取引先と出会うきっかけ

  


グラフ8:自社の付加価値

  


グラフ9:付加価値向上に向けた取り組み

  

Q4解決したい課題

前回に続き「教育」「省人化・効率化」に関しては半数近い会社が課題意識を抱えている。また、前回比で「助成金活用」や「WEBマーケティング」を課題に挙げた企業が増加している。今後このテーマをもう少し掘り下げ、具体的な取り組みの内容・企業事例などを会員企業各社と共有していきたい。


グラフ10:解決したい課題(上位3位)

  


グラフ11:従業員規模

  


グラフ12:業種

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