中小製造業の受注状況、「増加」が4倍に 新型コロナ猛威を振るう中、半年経てかなり改善 ~第三回景況感アンケート、中国・タイ・ベトナムでも同時調査~
製造業の会員企業約1万8,000社と国内最大級の受発注サイト「エミダス」を運営する株式会社NCネットワーク(本社:東京都台東区、代表取締役社長:内原康雄)は、会員の中小企業を対象に、3回目となる景況感を伺うアンケートを実施。2020年12月16~25日にウェブ上で行い、203件の回答を得ました。なお、今回はNCネットワークの海外拠点(中国、タイ、ベトナム)でも同時調査を行いました。
回答結果によると、工場の稼働率は「かなり混んでいる」「比較的混んでいる」と答えた企業が前回結果よりも10%以上増加、「かなり余裕がある」と答えた企業が13%減少しました。また、10月~12月の受注状況は7月~9月に比べマイナスの回答が25%減少し、さらに4月~6月と比較するとプラスの回答が4倍以上に増えたことから、コロナウィルスが拡大し半年を経て、中小製造業の景況感はかなり改善したといえます。
また、「好調な業界」では「自動車」が前回11.9%でしたが、今回は28.2%と17%近くも復活し、好調な業界2位となりました。さらに「不調な業界」における「自動車」の割合も前回に比べ20%以上減少したことから、自動車業界の復調がみられました。
さらに、前回「解決したい課題」で採用や教育等の回答が多かったことから、今回は「人材」に焦点を当て調査を実施しました。回答結果によると、中小製造業の2021年採用活動は「行う」が60%で、新卒・中途共に積極的に継続している企業が半数以上を占め、特に新卒や若者(20~30代)で技術職の採用ニーズが高いことがわかりました。一方で採用を「行わない」は約38%で、行わない理由としては「現状の人員で仕事が回る為」が圧倒的に多く、コロナウィルスの影響とは関係が薄い結果となりました。人材採用のための広報活動としては、「ハローワークなど公共機関の利用」をしている企業が65%以上ですが、次いで「自社ホームページでの募集」「WEB求人媒体の活用(リクナビやマイナビ等)」となり、採用活動でもWEBを使った情報発信が活発化しているといえます。
NCネットワークは今後も新型コロナウィルスの影響を受ける中小製造業の課題解決のため、積極的に情報を収集し公開してまいります。特に取引先開拓・人材採用共にWEBを使った情報発信が成功における重要な鍵となると考えられることから、景況感のみならず、中小製造業のWEBでの情報発信の事例を収集し、情報提供していくことで、国内外の取引拡大や取引先の多様化、中小製造業における人材不足の課題解決に寄与します。
■過去のアンケート結果
第1回(2020年6月実施)
第2回(2020年10月実施)
【調査概要】
主体:株式会社NCネットワーク
期間:2020年12月16~25日 WEBによる調査
対象者:エミダス会員企業の経営者
回答件数:203件
【調査結果】
<総評・4か国調査>
2020年3回目の景況感アンケートを12月16日~25日に行った。
1-2回目は日本のみの調査であったが、今回から弊社グループ拠点を持つ中国、タイ、ベトナムも同時調査を行った。回答数については日本203件、中国25件、タイ19件、ベトナム14件となり、海外は未だ回答数が少ないが、今後継続調査を行う予定。
先ず景況感について、前2回の調査と比較し全般的に回復の兆しが見られ、国別では4か国を比較すると中国が一番好調との回答を得た。
業界別では国によって特徴があり、多くの企業が自動車業界に関連しているため、日本では、好調・不調と評価大きく振れる回答があったが、タイでは電子機器業界が好調と回答があることから、今後は自動車分野で大きく括るのではなく、CASEに対応した電動化や電子制御関連マーケットの動向を特に細分化して注視していきたい。
Q1 工場の稼働状況
「かなり混んでいる」「比較的混んでいる」の合計は前回比10%以上アップ。
一方で「かなり余裕がある」は前回比約13%ダウンとなり、全体的に復調している。
Q2 直近の受注及び予測
前回比で見ると減少傾向は計25%ほど改善。
前回マイナスと回答している企業(約65%/約180社)の40%近くが今回も同様にマイナスと回答。
しかし、第1回(6月実施)と比較するとプラスになった企業は4倍ほどに達したため、半年経過してかなり復調したとみられる。今後の受注予測では「±0」の回答者が前回比10%増となり、現状維持傾向か。
景況感
自動車業界が前回11.9%だったのに対し、今回は28.2%と17%近くも復活。好調な業界第2位となった。不調な業界における自動車の割合も20%以上減少。医療、半導体業界も引き続き好調である。
【人材に関する調査について】
今回は「人材」について詳細な調査を行った。
採用活動については、新卒・中途共に積極的に継続している会社が半数以上を占め、コロナの影響とは関係が薄い結果となった。
慢性的な人材不足や中長期的な視点での積極的な若手や技術者の採用は引き続き注視していきたい。
人材採用を目的とした広報活動は、①自社webサイトによる情報発信、②人材採用関連の専門webメディアの活用は企業の規模問わずしっかりと定番となっている。
さらに採用関連イベントが激減した影響もあり、オンラインによる面接も企業・学生側共に定番化したといえる。
今後、取引先開拓・人材採用共にwebを使った情報発信やコミュニケーションツールの積極的な活用事例や成功事例などを会員企業と共有しつつ、定期的に調査を行っていきたい。
※以下アンケート結果は一部抜粋(全結果は回答者のみに公開)
Q7 貴社の人材の不足状況について教えてください。(回答数: 203)
Q8 人材不足の状況にある職種を教えてください。(複数回答可)
Q9 2021年に採用活動を行う計画はありますか? (回答数: 203)
Q10 Q9で「行わない」と回答した方にお尋ねします。採用活動を行わない理由を教えてください。
(複数回答可)
Q11 Q9で「行う」と回答した方にお尋ねします。2021年どのような人材を採用する予定ですか?
(複数回答可)
Q12 Q9で「行う」と回答した方にお尋ねします。
2021年の採用の取り組み方についてお選び下さい。 (複数回答可)
Q15 新型コロナウィルスの感染拡大を受け、2021年の採用計画を見直しましたか。
Q16 新型コロナウィルスの影響により見直す(した)内容を教えてください。(複数選択可)
Q18 最近の採用活動において苦労している職種があれば教えてください。
【アンケート回答者属性】